V-ISA ® イメージング ③ ~ 映像情報の新時代を拓く~

V-ISA ® :Variable Irradiation Solid Angle可変照射立体角照明 ®
 V-ISA ® 照明とは、V-ISAメソッドを用いた照明で、従来型照明の常識を覆す、まさに革命的な照明技術である。V-ISA照明を用いた撮像方式は、今、検査業界に新風を吹き込むが如くに広がりつつあり、ここではV-ISA照明の技術詳細とその撮像例を紹介している。

V-ISAメソッド(V-ISA-Method ® )とは、図3.1に示すように、被写体面の各点に、照明からの距離に拘わらず、同一の形状、同一の大きさ、同一の光軸をもつ照射立体角を形成し、その形状、大きさ、光軸を均一に制御している。

図3.1 V-ISAメソッド(V-ISA-Method ® )の動作原理

その結果物体から返される物体光の立体角と、観察系で構成される観察立体角との包含関係で、被写体面の光物性の変化が正確に反映された物体光の変化を1ショットで撮像し、定量的に捕捉する方法である。

これによって、これまで検出が難しかった金属表面やその他の材質の光沢面の微小なキズ、たわみ、打痕、擦れ等の変化を正確に、しかも安定に検出することができる。

そのひとつの応用として、照射立体角を、図3.2に示すように、放射状にRGBの照射領域が配置された放射状RGB多層照射立体角にすると、たとえば、穴のある金属部材に凹み等を施した被写体に対し、従来型の面発光同軸照明では図3.3に示したような画像しか得られないが、図3.4のように、その表面の傾斜角度が正確にカラーグラデーションに変換された3D画像を得ることができる。

図3.2 放射状RGB多層照射立体角方式

図3.3 加工金属表面の撮像例(1)

図3.4 加工金属表面の撮像例(2)

従来型照明を用いた明視野画像は、一見均一に撮像できているようで、実際には被写体面の各部でその照射条件が少なからず異なってしまうので、微細なキズや凹みを安定に検出することができなかったが、V-ISA照明を用いると、微かな傾斜も正確に検出しながら、微小な凹凸や細かなキズ、シミなども安定に検出することができる。

図3.5は、V-ISA照明を用いて1ショットで撮像した画像に対して、株式会社リンクス様のご協力により、ドイツのMVTec Software GmbHの画像処理ソフトHALCONに組み込まれているPhotometric Stereo 関数を用いて3D形状に変換したものである。

図3.5 加工金属表面の3D変換結果

従来型の照明ではその検出が難しかった、微小なたわみや、凹凸などが、V-ISA照明を用いると正確に、しかも定量的に取得できていることがわかる。ただし、Photometric Stereo関数はランバート面を仮定しており、微小な凹凸の検出には適しているが、現時点では正確な3D形状を復元できているわけではないことを注記しておく。

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V-ISA 照明に関するお問い合わせ先
マシンビジョンライティング株式会社
TEL:042-329-3678
E-mail:info@mvlinc.com

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