V-ISAイメージング ② ~ 映像情報の新時代を拓く~

V-ISA:Variable Irradiation Solid Angle 可変照射立体角照明 ®

 V-ISA照明とは、V-ISAメソッドを用いた照明で、従来型照明の常識を覆す、まさに革命的な照明技術である。V-ISA照明を用いた撮像方式は、今、検査業界に新風を吹き込むが如くに広がりつつある。ここでは、V-ISA照明の技術詳細とその撮像例を紹介している。

V-ISAメソッドとは、図2.1の(c)に示すように、被写体面の各点に対する光の照射角度範囲である照射立体角を、光を照射するすべての点で照明からの距離に拠らず、すべて同一に、しかもその形状を任意に制御できる照明技術である。

図2.1 V-ISA 照明と従来型照明、および平行光の被写体面への照射立体角構造比較

従来型の照明では、図2.1の(a)に示すように、被写体面の異なる点では、その照射立体角の形状も角度も異なってしまうので、特に金属面や光沢面をもつ被写体では、各点でその明暗が大きく変化してしまい、均一な撮像画像を得るのがきわめて難しかった。

従来型照明では、これを均一にするのに、図2.1の(b)に示すような平行光を使用するしかなかったが、平行光で得られる画像は2値化された画像のようになってしまい、きわめて自由度が低くかったのである。

図2.2は、金属光沢面の微小な凸面を、V-ISA照明で単一の逆円錐形照射立体角を設定し、それぞれの照射立体角の平面半角を10degから2degまで変化させて撮像した画像である。

図2.2 V-ISA 照明の単一照射立体角による、金属光沢面の微小凸面の撮像例

照射立体角を小さくすると、この撮像条件では、画像のグレーレベルが表面の傾きに対してより敏感に反応していることが分かる。しかも、どの点でも同一の照射立体角が形成されているため、被写体面の傾きは、すべての点で正確にグレーレベルに変換されていることに留意されたい。

さらに、このV-ISA照明では、その照射立体角を、図2.3に例示したように任意に設定することができ、それぞれの立体角比率を変えると、図2.4のように、撮像に際して、被写体面の傾きを、直接、様々なカラーグラデーションに変換できる。 

図2.3 V-ISA 照明の照射立体角形状例

図2.4の画像は、レーザーのようにスキャンすることなく、通常のカラーカメラの1ショットで撮像されている生画像であり、当然、なんの画像処理も経ていないことに留意されたい。

図2.4 V-ISA 照明で、種々の多層照射立体角を用いた金属面の微小凸面の撮像例

画像を撮像するときにすでに、被写体面の3D情報を所望のカラーグラデーションに変換して撮像することができるのである。V-ISA照明では、任意の方向の任意の傾きに、任意の幅をもたせて、任意のカラーグラデーションを、1ショットで得ることができる。

図2.5 金属凸面の結晶粒界の段差撮像

しかも、図2.5に示したように、撮像光学系の解像度を上げれば、金属表面の凸面部における数μレベルで数10nm程度の金属結晶粒界の段差や傾きを、正確にかつ定量的に撮像することもできる。

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V-ISA 照明に関するお問い合わせ先
マシンビジョンライティング株式会社
TEL:042-329-3678
E-mail:info@mvlinc.com

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