株式会社ヴイ・エス・テクノロジー(以下、VST)は、1997年の設立当初よりお客様のニーズをくみ取り数々の新製品を積極的に投入することでラインナップを拡大し、幅広い要望に最適なレンズを提案することを強みとしている。本稿では加速度的に変化を続けるカメラ動向に対して提案するVSTの新製品について紹介する。
12メガピクセル対応高性能マクロレンズ
CMOSセンサ技術の進歩により画素の微細化・センサの多画素化が加速する中で、1.1”・12メガピクセルカメラ(画素サイズ3.45μ・画素数4,112×3,008)に最適な固定焦点・低ディストーションマクロレンズがVS-LDVシリーズ(写真1)である。
解像度3.45μに対応し、文字通り画像中心から周辺に至るまで画像全域でのディストーションを限りなく抑えている特徴に加え(図1)、センサの特性を考慮した光学設計により画像中心と周辺での光量差を低減している。
また、性能・コスト・サイズ、これら3つにおけるベストなバランスを追及したことにより、性能だけでなくコストパフォーマンスも高い製品として完成されている。
VSTのマクロレンズにおいて最大2/3”をサポートするVS-LDAシリーズ(焦点距離4mm~75mmまで10機種)、4/3”をサポートするハイエンド機種VS-LLDシリーズ(焦点距離f10~50mmまで9機種)の中間にVS-LDVは位置付けられ、コネクタ等の電子部品、半導体、自動車部品等の検査で幅広く使われている弊社マクロレンズのラインナップがVS-LDVが追加されることで一層強化される(図2)。
弊社の固定焦点マクロレンズは一般的なCCTVレンズより短いワーキングディスタンス(以下、WD)を光学最適値としており、CCTVレンズ・マクロレンズ同じ固定焦点レンズではあるが適したモデルを使用条件によって弊社ラインナップの中から提案することが可能である。
VS-LDVシリーズは焦点距離f25mm~f75mmまで4機種となり(表1)、2019年8月からf50mmが発売開始となり他機種は追って順次発売予定である。
超小型テレセントリックレンズ(エンベデッドビジョン)
12メガピクセルカメラ等、Cマウントカメラの中で大型素子のトレンドが進む一方で、エンベデッドビジョンを代表とする小型カメラの需要も注目を集めている。
VSTが2019年Q3に発売するVS-MTCシリーズ(写真2)は標準ラインナップにおいて業界最小・最軽量(2019年4月時点・当社調べ)の超小型テレセントリックレンズである。
3.45μの解像度をもちながら適合センササイズは最大1/2.9”とすることでレンズ寸法を限りなく小型化し、O/I(物体側フォーカス位置~センサ間距離)50mmを実現させた。カメラの寸法によるが、100mm以下のスペースで画像ユニットを導入することも可能となる。
弊社ラインナップにある同倍率のCマウントテレセントリックレンズと比較すると約130mmスペースを抑えることが可能になり(図3)、複雑化する装置構成の狭スペースにビジョンシステムを導入する場合やロボットビジョン等の組み込み用途に最適なテレセントリックレンズである。
VS-MTCシリーズはSマウントの固定倍率・固定絞りで0.69x・1.0x・2.0xの3機種をラインナップする(表2)。ご要望によりSマウントカメラとの固定を強化するロックリングやCマウントアダプタの提供も可能である。
SWIR 対応レンズ
センササイズや解像度以外の要素としてSWIR(短波赤外)を取り上げたい。SWIR は 900nm~1,700nm波長域の光として定義されているが、対象物自体の構造や素材の変化により検査案件で使用するケースが増加している。
VSTは固定焦点レンズで1”対応・VS-H1-SWIR(焦点距離6~50mm・7機種)をラインナップしているが、カスタム製品としてSWIRタイプのテレセントリックレンズの提供も行っている。詳細は弊社営業オフィスもしくはWebサイトにてお問い合わせ願いたい。
350 機種を超えるラインナップ
VSTは豊富なラインナップから最適なレンズを提案することを強みとしており、産業用レンズを求める案件がある際はぜひ弊社にお問い合わせをいただきたい。
弊社はマシンビジョン用途だけでなく、監視用途のレンズ製品も手掛けており、ラインナップからだけではなく、セミカスタムや、フルカスタム、光学部品を組み込んだユニットでのご提案等、設立当初から培ってきたノウハウを元に、VSTグループとして最適と考える光学機器のソリューションを提供することがわれわれの努めである。
世界各地に広がるVSTネットワーク
VSTは日本に7拠点(サテライトオフィス含む)・海外13ヵ国に拠点をもち活動を展開している。日本でスタートした案件が海外の工場で展開されるというケースも増えており、そういったケースでも弊社の場合は向け先地で日本と同様のサポートが可能なケースが多く評価をいただいている。
また世界に広がる弊社独自のネットワークにてお客様からのご要望に各地で向き合い続けることで、今後も進化を続けるマシンビジョンの用途・ニーズに対してマッチする新製品をオンタイムで提供し続けていきたい。
■問い合わせ
株式会社ヴイ・エス・テクノロジー
TEL:03-3560-6668
E-mail:sales@vst.co.jp
https://www.vst.co.jp/
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