LuxFlux(ルックスフルックス)社製
統合ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアの提供を開始

キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノン IT ソリューションズ株式会社(以下、キヤノン ITS)は、LuxFlux(本社:ドイツ)と販売代理店契約を締結し、LuxFlux 社製統合ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアの提供を 2019 年 12 月上旬から開始する。

半導体、フィルム・素材、FPD など産業界における対象物の可視化、分類、測定を実現

産業界において IoT や AI などの技術革新を原動力として、顧客ニーズにあった製品が短期で開発、出荷されるようになった。

一方で、高い品質の要求や生産現場の人手不足に対応するために、工場の自動化(FA)や作業の効率化などが必要とされている。

特に製造ラインにおいては製品検査での高い技術が要求され、対象物が繊細で緻密な食品加工や半導体製造は出荷検査の工程に課題を多く抱えている。

このような課題を解決するためキヤノン ITS は、LuxFlux 社製統合ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアを提供開始。

同製品は、ハイパースペクトルイメージング(HSI)技術(※1)を中心としたデータ処理を行う汎用的な産業用ソフトウェアで、機械学習(AI)による解析・測定モデル開発ができ、製造ラインにおいて対象物の可視化、分類、測定が可能である。

従来、ハイパースペクトルイメージング技術は対象物の「分類」を中心に活用されてきたが、LuxFlux 社製統合ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアは「分類」用途に加え、薄膜の厚さや、薬や食品など対象物の成分量を「測定」できるため、今まで難しいとされていた、半導体、フィルム・素材、FPD などの製品検査で活用することができる。

ハイパースペクトルイメージング技術を利用した可視化例

ハイパースペクトルイメージング技術は、多数の波長を利用できるため従来の RGB カラーカメラで撮影するより多くの情報を取得可能で、さまざまな分析や研究用途に用いられてきた。

現在、日本のハイパースペクトルカメラ市場は大学・研究開発向けが中心で、産業向け市場は今後、世界を上回る年間20%以上の伸び(※2)が予測されている。

ハイパースペクトルカメラから出力される膨大な情報を処理する汎用ソフトウェアの市場においても今後需要の高まりが予想される。

キヤノン ITS は、順調に成長を続けるマシンビジョンシステム(※3)市場に向けた製品ラインナップの強化に加えて、急成長が期待できるハイパースペクトル画像処理ソフトウェアを提供できるようになる。

それにより「可視化」「分類」「測定」といった従来の可視光では不可能な用途に活用できるハイパースペクトルデータの産業利用・AI 化の画像処理市場を創出し、本製品群の販売で 2022 年に売上1億円を目指すとしている。

(※1)紫外~可視~赤外の光の領域のうち、数十以上の波長から分光イメージングデータを得られるカメラ(ハイパースペクトルカメラ)および、そのデータを解析する技術の総称
(※2)出典:株式会社富士経済調査「2018画像処理システム市場の現状と将来展望」
(※3)マシンビジョンシステムは、産業用カメラ、産業用パソコン、画像入力ボード、画像処理ソフトウェア、さらにカメラと処理エンジンが一体型したスマートカメラなどが含まれる。

LuxFlux社製 統合ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアの概要

本製品は、開発環境「fluxTrainer」と実行環境「fluxRuntime」の2つで構成されている。

・「fluxTrainer」
ハイパースペクトルカメラで撮像した大量のデータの中から波長分類(特徴量を抽出)をし、機械学習(AI)により学習モデルを生成および検証する学習用の開発環境ソフトウェアである。

従来困難とされてきたハイパースペクトルデータに含まれる何百という波長の膨大な光学情報を、網羅的に処理することができる。AI を用いた学習モデル生成が可能なため、ユーザの検証作業は容易でデータサイエンティストは不要である。

・「fluxRuntime」
「fluxTrainer」で生成した学習モデルをもとに、リアルタイムで対象の判定をする実行環境のソフトウェアである。

また、キャリブレーションや対象の位置補正、コントローラや PLC(programmable logic controller)との連携も可能である。

生産・検査ラインで得られた結果をチューニングできるため、従来の研究用解析ソフトでは考慮されていなかった生産現場の業務でもスムーズに活用できる。

ソフトウェアの機能

・分類:検査対象の素材・成分を分類
・測定:薄膜素材の厚さ、測定対象の表面の荒れ、凹凸、色、成分量などの測定

活用例
(1)半導体、ディスプレイ、フィルムなどの膜厚測定、キズ計測、塗布のムラ判定
(2)食品・医薬品・化粧品など成分量の測定
(3)衣服、繊維などアパレル製品の素材分類
(4)クレジットカード等のトレース、紙幣など印刷物の着色剤分布
(5)精密農業や環境保護に対するリモートセンシング

価格
fluxTrainer :オープンプライス(12月上旬発売)
fluxRuntime :オープンプライス(12月上旬発売)

■関連情報
キヤノンITSのシニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」 (第14回)マシンビジョンの認識精度
https://www.canon-its.co.jp/column/detail/img_column01_14.html

問い合わせ
キヤノンITソリューションズ株式会社
TEL:03-6701-3450
https://www.canon-its.co.jp/solution/image/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください