株式会社ジェピコでは、ドローン搭載に最適な米国Corning社製のハイパースペクトラル・イメージング・システム(以下、HSIと表記)を取り扱っている。本稿では、今日のドローンによるHSIを用いたリモートセンシングについて紹介する。
ドローンとリモートセンシングについて
今日、ドローンの普及に伴い農業分野でのリモートセンシングが革命的に身近なものとなりつつある。以前では、植生を調べるためのリモートセンシングと言えば、衛星に搭載されたマルチ・スペクトラル・センサ(以下、MSI)であった。
この衛星画像は非常に広範囲の面積範囲で販売され、GSD(Ground Sample Distance)は、meterオーダーであり、価格、分解能において、大規模な農業や研究目的以外に普及することは難しい状況であった。
また、衛星の場合には、天候の影響もあり、曇りの状況では観測ができないという問題があった。 このような状況を、ドローンの普及が解決している。ドローンに搭載可能なMSIとHSIが低価格で登場し、急速に普及してきた。
HSIとMSI
農業分野においてリモートセンシグ技術を応用するには、HSIとMSIを利用する方法がある。今日まで、MSIはHSIに比べて低価格であり、観測に必要な光の波長帯域が明確になっていれば、利用しやすいものであったといえる。
HSIはMSIに比べて、データが膨大になるため、システムとして大容量のストレージが必要となったり、分光を行う回折格子が大きくなったりするため、サイズが大きく、重量も重く、価格も高価となる傾向があった。
しかし、HSIは分光されたイメージデータを取得する点においては、MSIよりも細かなバンド幅で一括データが取得できるという大きな利点があり、HSIを用いるとMSIだけでは行えない、植物の種類の特定や、植物の病気の識別、植物の花の識別、様々な分析が行えるようになる。
よって、HSIが価格やサイズ、重量などの問題を解決できるとすると、今後、HSIがMSIに取って代わる場面が増えると考えられる。
Corning 社のドローン搭載向けHSI「Corning®microHSI TM 410 SHARK」
前述したような問題を解決するソリューションとして、Corning 社のドローン搭載向け HSI「microHSI 410 SHARK」が発売された(図1)。
Corning社は以前より航空機搭載向けのHSIを取り扱っており、HSIを小型で設計し、搭載向けのシステムとして提供することに強みがある。
何より、今回発売されたCorningのmicroHSI 410 SHARKは、非常に小型軽量に設計されており、一般普及レベルの産業ドローンで長時間の空撮が行えることにある。GPS/IMUやデーターストレージも内部に搭載されており、ターンキーで利用可能である。
表1、2にスペック表を示す。カバーしている波長帯域は400~1,000nmとなる。この帯域は、植生のリモートセンシングに最適な波長だが、海洋のリモートセンシングなど様々なリモートセンシング分野に応用が検討可能であると考えられる。
導入事例
導入事例としてオリーブの木を撮影したケースを紹介する。
ドローンに搭載した場合、飛行時の揺れから取得画像は歪むが、Corning microHSI 410 SHARKには高性能のGPS/INSが搭載されており、取得画像の歪を正常に補正することができることが図2を見ると確認できる。
この撮影は高度約100mから行ったものである。4枚のイメージをステッチングしたもので GSD(Ground Sample Distance)は5cmより良好となっている。
さいごに
以上、Corning社製microHSI 410 SHARKの紹介をさせていただいた。本製品についての詳細は、弊社、株式会社ジェピコまで問い合わせいただきたい。
■問い合わせ
株式会社ジェピコ
TEL. 03-6362-0328
E-mail:jepico_hsp@jepico.co.jp
http://www.jepico.co.jp/
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