SWIRイメージング

主に可視光に感度を有 するCCD/CMOSでは、人間の目に見えない赤外線領域NIR(Near InfraRed:近赤外線)での感度は波長約1μmまでである。

それより長い赤外線波長に感度を有するものをSWIR(Short Wave InfraRed:短波長赤外線)と呼び、近年その波長での優位性が広まってきている。本稿ではSWIRカメラの特長や利点の事例を紹介する。

1.SWIRの定義

 SWIRとは一般に0.9~2.5μm波長帯の光のことを示す(図1)。

図1 光の大気透過スペクトル

この波長帯では1.45μm付近と1.95μm付近に水の吸収帯があるが、それ以外は概ね良好な大気透過率を示すため監視カメラ等の低照度撮影に適している。ここで使われる画像センサは一般にInGaAs検出器(0.9~1.7μm)や T2SL(1~2.4μm)が使われている。

2.SWIRの利点

赤外線とはいえSWIR領域は可視領域と同様に実環境では反射光での撮影となるため、中赤外線~遠赤外線の熱放射による画像と異なり画像コントラストが強く、人間の目の自然な認識に近い画像を取得できる特長がある。

図2に光の波長の違いによる見え方の違いを示す。SWIRでは可視と同様に人物の特徴までつかむことができる。

図2 波長による見え方の違い

3.SWIRの事例

3.1 反射による影の効果
SWIRの反射画像は熱画像と異なり、物体の影も見えるため人間の目で見た画像に近く物体を認識しやすい特長がある(図3)。

図3 影の効果

3.2 煙や靄を透過する効果
SWIRは可視に対し波長が長いため、靄や煙などの微粒子による乱反射の影響を受け難く、透過した画像が得られるため、監視カメラなどの用途に適している(図4、5)。

図4 靄の透過

図5 煙に透過

3.3  低照度撮影(夜光での撮影)
SWIR 感度領域には夜光(Airglow、Nightglow)といわれる成層圏からのイオン発光現象があり、それを利用して夜間撮影することが可能である。

ただし、その夜光は非常に高感度なSWIRカメラでないと微光過ぎて利用できないが、感度の高い検出器では可能である(図6)。

図6 InGaAsとイメージ増倍管(第三世代)との比較

4.SWIRカメラの紹介

次に弊社で取り扱っているSWIR製品を紹介する。

【高感度InGaAs検出器】
イスラエルSCD社製VGA画素数15μm画素サイズと SXGA 画素数 10μm 画素サイズをラインナップ。

VGAにはCameraLink出力可能なProxyカード付きもある。ROICノイズ:45e-(CDS)の超低ノイズの超高感度検出器を取り扱っている(図7)。

図7 高感度InGaAs検出器
左からCardinal-640/Cardinal-640 Proxy/Cardinal-1280

【高感度InGaAsカメラ】
上記検出器を用いたカメラも取り扱っている。日本で入手可能な超高感度SWIRカメラで微光撮影に最適である(図8)。

図8 高感度InGaAsカメラ
左:VGA 画素タイプ NIRCam-640HS
右:SXGA 画素タイプOWL-1280

SWIR用レンズ
SWIR用に特別に設計された高いMTFを誇る固定焦点レンズも取り扱っている(図9)。

5.まとめ

① SWIR画像は熱画像と比べコントラストが高く物体や人物の特定がしやすい。
② SWIR画像は物体の影も映るので人間の感覚に近い。
③ SWIRは可視より波長が長いため大気中の微粒子の影響を受けづらく透過性がよい。
④ SWIRは低照度での測定に適しており夜光下だけのような微光環境でも測定できる。

以上のように、SWIR検出器は様々な優位性をもち、特に監視カメラの用途に最適である。

※映像情報インダストリアル2017年2月号より転載

問い合わせ先
株式会社アイ・アール・システム
TEL: 042-400-0373
http://www.irsystem.com/

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