印刷検査のナビタスビジョンとAI技術での業務提携

人工知能(AI)で印刷産業向けのソリューションを提供するタクトピクセル株式会社と高い印刷品質検査技術を有するナビタスビジョン株式会社はAI技術での業務提携を行った。

AI技術・深層学習技術で画像の学習済みモデルを作成するWebアプリケーションツール・POODL(プードル)は印刷検査の現場に導入され高い評価を受けている。

同社はAI技術を通じて、検査システムで検出した欠陥種類の自動分類、過検出の抑制、そして印刷の上流工程へのフィードバックの実現など、ナビタスビジョン株式会社の企画する次世代検査機器の開発を支援する。

業務提携の背景と内容

近年のマシンビジョン技術やカメラ・センシング技術の発展により高速な画像検査システムの導入が進んでいる。しかし、検査装置導入後の企業でも依然として目視チェックが行われている。

その最大の要因は印刷品質のばらつきと現在の画像処理技術の検出性能を適切に調整するのが困難なことである。

現在のカメラ・センシング技術でも、印刷特有のノイズ判断や微妙な色の変化を画像として捉えることはできる。

しかし、従来の画像処理手法では検出すべきものとそうでないものを識別することが困難なため、検査精度を高めると過剰な検出(過検出)が起こるなど、検査装置の検出精度と歩留まりの維持がトレードオフとなっている。

同社は高精度な学習モデル(推論モデル)を作成し製造現場に適用することで、いままでの画像処理技術では成しえなかったこれらの問題を改善している。

製品の利用(OEM:相手先ブランド製造)と技術支援をナビタスビジョン株式会社に提供することで、次世代の印刷品質検査装置の開発の支援をする。

印刷工場のための深層学習モデル作成ツール POODL プードル


POODLは印刷製造の現場で発生する画像データを活用し、深層学習モデルを作成するためのアプリケーションで、印刷画像に特化した精度の高いモデル生成が可能である。

実運用性と精度の高いモデル作成を可能にするため、現場の作業者が自ら画像のラベル付け(アノテーション)作業が行える操作画面を備えているほか、製造業の部署単位で権限管理を行う仕組みがある。

画像データの背景絵柄が変化しても、その表面に付着した異物などの欠陥を識別するモデルの生成が可能である。

大量の画像を効率よく学習するための仕組みとともに、一般的なRGB画像だけでなく多チャンネル画像形式に対応するなど、同社独自の深層学習技術の研究成果を応用している。

印刷業の企業が利用できる価格プランの他に、印刷製造機器メーカと技術提携が行えるOEMライセンス提供も対応している。

検査機器との組込みや連携についてはWeb APIを介しての制御ができるほか、SDKやCLIなどの開発用ツールキットも用意している。

POODL:https://poodl.cloud/

今後の展開

同社は今後とも印刷検査装置メーカ、印刷装置メーカーと積極的に協業や業務提携を進め、すべての印刷産業にかかわる方々に生産性の向上や業務改善で貢献し、印刷産業界の発展に貢献できるよう歩んでまいります。

■問い合わせ
タクトピクセル株式会社
https://taktpixel.co.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください