日本エレクトロセンサリデバイス株式会社(NED)は40年以上にわたって産業用ラインスキャンカメラを市場に提供している。
2005年には世界に先駆けて8,192画素/データレート160MHzの自社開発CMOSセンサを使用したラインスキャンカメラ「XCM8040(CLISBeeシリーズ)」をリリースした。
そして、その後も改良を重ね、高速・高感度な新CMOSセンサを使用した新ラインスキャンカメラ「Ryuganシリーズ」の開発を行ってきた。
Ryuganシリーズは、Camera Linkインタフェイス3 機種とCoaXPressインタフェイス3機種を市場に投入する。本稿では従来のCLISBeeシリーズに変わって発売したRyuganシリーズのラインナップをCoaXPressの機種を中心に特長・機能を解説する。
Ryuganシリーズのラインナップ
RyuganシリーズはインタフェイスとしてはCamera LinkとCoaXPressを採用している。Camera Linkインタフェイスのカメラは8K/6K/4Kで4機種、CoaXPress インタフェイスのカメラは同じく8K/6K/4Kで3機種を開発した。
従来CLISBeeシリーズは8K/6K/4KでCamera Linkだけで13機種存在したが、RyuganシリーズはTAPの切替機能を盛り込むことで機種数を劇的に減らしている。
Ryugan CoaXPressシリーズ
Ryugan CoaXPressカメラの主な仕様を表に示す。Ryugan CoaXPress シ リ ー ズ(図1~3)は、CoaXPress規格のVersion1.1に準拠している。
したがってVersion1.0対応のフレームグラバーボードでは動作しないので注意されたい。またユーザがさまざまな用途に応用できるよう、CoaXPressのスピード切替機能を盛り込んだ。
これによってラインレートを早くして使いたいユーザはCXP-5のデュアルまたはシングルを、またケーブル長を極力長くしたいユーザはCXP-3のデュアルまたはシングルを選択すればよい。
CXP-3を選択すれば、ケーブル長は5C-FBの同軸ケーブルを用いれば100mまで伸ばすことが可能となる。またケーブル自体の価格もCamera Linkケーブルより安く、全体のシステムコストを下げることが可能になる。さらに本シリーズからPower over oaXPressに対応した。
対応しているフレームグラバーボードを使用すれば、カメラの電源ケーブルも不要となりさらなるシステムコストの低減ができる。
Ryuganシリーズカメラ導入時の注意点
前項までに述べたように、Ryugan CoaXPressシリーズにはCoaXPressのスピード切替機能を盛り込んだ。これによってさまざまな検査に使用できるカメラとなっているが、それぞれ導入時には注意いただきたい点がある。
CoaXPressシリーズの場合はスピード切替を行った場合はカメラのディスカバリのやり直しが必要となる。また高速設定(たとえばCXP-5デュアル)から低速設定に切り替えた場合、カメラを最短スキャンレートに設定していると、そのスピードでは動かないため自動的にそのスピード設定での最短スキャンレートに切り替わるようにしている。この点も併せて注意いただきたい。
おわりに
高速・高感度のCMOSラインスキャンカメラ「Ryuganシリーズ」について紹介した。今後はさらに高画素の Ryugan シリーズカメラの開発や、GigE Visionインタフェイスを採用したRyuganシリーズカメラの開発を計画している。
※映像情報インダストリアル2019年3・4月号「I/F別にみる産業用カメラ」特集より転載
■問い合わせ
日本エレクトロセンサリデバイス株式会社
TEL:06-6534-5300
E-mail:k.takada@ned-sensor.com
http://www.ned-sensor.co.jp/
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