作業支援カメラシステム RICOH SC-10シリーズ
~画像認識により作業ミスを防ぐ~

2016年4月から販売している作業支援カメラシステム「RICOH SC-10A」はカメラ、画像認識、アプリケーションが一体化されており、製品品質と生産効率を同時に向上させる画像認識システムを簡単に実現することができる。

このたび2017年6月発売となった高倍率モデル「RICOH SC-10A(H)」は、標準モデルの「RICOH SC-10A」に比べて焦点距離が約2倍の高倍率のレンズを搭載することで、さらに幅広いシーンで活用できるようになった。

高倍率モデル開発の経緯

標準モデルSC-10Aは発売以来、製造業のお客様を中心に様々なシーンで活用されてきている。そのような中で、より小さい部品のチェックや、作業性向上のために作業台の高い位置に本機を設置したいという声に対応すべく高倍率モデルSC-10A(H)の開発を行った。

高倍率モデル(図1)では、焦点距離が標準モデルの約2倍のレンズを搭載することで、小さなネジやコネクタの向きのチェック等、標準モデルでは検出困難な小さな対象物のチェックを実現させた(図2)。

図1 RICOH SC-10A(H)

図2 高倍率モデルと標準モデルでの撮像画像

SC-10シリーズの主な特長

【特長1】画像認識で作業ミスを防止
•事前に登録した正しい作業結果の画像と現在の作業状態の画像を画像認識でチェックすることにより、欠品や部品の間違いなどの作業ミスを防止できる。

•画像認識のチェックにより正しい作業結果と認識されないと次に進めないシステムにすることで、作業途中でのミスを減らして生産効率を上げることができる(図3)。

図3 モニタ表示と作業指示の流れ

【特長2】 オールインワンで簡単運用
• カメラに画像認識とアプリケーションをすべて内蔵する一体型にすることにより、PCが不要となり、コスト削減・省スペース化を実現できる(図4)。

図4 システム構成イメージ

• 内蔵アプリケーションはプログラム、画像認識などの専門知識がなくても、マウス、キーボードで簡単にセットアップすることができる。

•作業者はセットアップされた画面表示に従って作業をするだけなので、簡単に運用することができる。セットアップ後はマウス、キーボードがなくても運用することができる。

【特長3】 現場のIT化をサポート
• 部品のシリアルナンバーや組立状態の画像などをSDカードやネットワーク上の共有フォルダに収集し、実績データや画像データとして記録を残すことができるため、作業分析やトレーサビリティに活用できる(図5)。

図5 実績データのイメージ

• 作業指示書やチェックシートを電子化することができるため、現場のペーパーレス化に役立てることができる。

•付属の PC ソフトウェアにより Microsoft ® Office(Word、PowerPoint ® 、Excel ®)で作成された作業指示書データを本システムに最適化された画像データに簡単に変換することができる。

応用例

【利用シーン1】 組立作業のチェック
部品の取付けやネジ締めなどの組立作業において、クッションやネジなどの欠品を防ぐには目視チェックが一般的である。また、作業者がネジ締めの順番を守らないことで、品質が安定しないことが課題となっている。

SC-10シリーズを用いると画像認識と作業指示が連動することにより、クッションやネジの欠品チェック、作業順序のチェックに活用できる(図6)。

図6 組立作業のチェック例

【利用シーン2】 同梱作業のチェック
同梱作業では、同梱ペラの言語違いや同梱物の欠品などを目視チェックすることが一般的である。 SC-10シリーズを用いると同梱ペラやコード類をマッチングで同梱前にチェックすることができる。

さらに作業指示と連動して順次チェックしていくため、作業が進むと重なって隠れてしまう場合でも作業しながら自動でチェックし、同梱物の欠品や順序をチェックすることができる(図7)。

図7 同梱作業のチェック例

【利用シーン3】 型番のチェック
 組立作業においてHDDなど外観が同じでもディスク容量などの仕様が異なる部品があり、組立時に型番をチェックする必要がある。容量違いは検査工程で検出することはできるが、工程が後戻りしてしまうため、組立時にチェックできていることが望ましい。

SC-10シリーズを用いると外付けバーコードリーダをUSB接続することで、バーコードの文字列チェックをすることができる。これにより、組立時にHDDのバーコードを読み取り、正しい型番、ディスク容量をチェックすることができる(図8)。

図8 型番のチェック例

また、バーコードで読み取った文字列は実績ログに保存されるので、部品のシリアル番号を読み取ることによりトレーサビリティにも活用できる。

【利用シーン4】 PCB手作業のチェック
PCB(プリント基板)の工程ではリード部品の挿入やジャンパーソケットやヒートシンク取付けなど手作業が必要となっている。SC-10シリーズを用いるとコネクタの向きやジャンパーソケットの挿入位置などをマッチングで、コネクタの色違いを色認識でチェックできるので、PCB手作業においても活用することができる(図9)。

図9 PCB手作業のチェック例

【利用シーン5】 グリス塗布のチェック
 放熱グリスや接着剤などは塗布をしなくても組立を進めることができるので、塗布の抜け漏れが発生しやすい。また、塗布物は形状が安定しないため通常のマッチングでの検出は困難である。SC-10シリーズを用いるとヒートシンクへのグリス塗布の有無を、色認識によりチェックすることができる(図10)。

図10 グリス塗布のチェック例

おわりに

リコーインダストリアルソリューションズ株式会社はこれまでのリコーグループの幅広い事業領域を支えてきた要素技術である光学・画像処理・電子デバイス・電子実装・材料化学の各技術を結集させることで、マシンビジョンでの事業展開を図っている。

今回、「作業支援カメラシステムSC-10シリーズ」を紹介したが、多数のラインナップを揃える「FAレンズ」や独自のキャリブレーション技術および、視差演算技術により、高精度かつ高速で3次元計測可能な「産業用ステレオカメラ」なども製品化している。

このような新しいマシンビジョン環境を構築することで、お客様に「イメージング領域の拡大」という新たな価値を提供していく。

※映像情報インダストリアル2017年10月号より転載

問い合わせ
リコーインダストリアルソリューションズ株式会社
TEL:045-477-1551
https://industry.ricoh.com/fa_camera_lens/ics/sc-10a/

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