1.1型12MPカメラ対応テレセントリ ックレンズ
「HMSシリーズ」の紹介

東京パーツセンターは、製造ラインでの計測や製品検査などで使用する産業用レンズの最上位機種として、1.1型12メガピクセルCMOSカメラに適したCマウント用テレセントリックレンズを開発し製品化した。以下にラインナップを紹介する。

開発の経緯

近年のICTの発展に伴い、電子部品の小型軽量化、微細化が進み、その製造、検査に用いられるマシンビジョンレンズもきわめて高い画質が求められている。 弊社では現在、高画質が必要な用途に2/3型メガピクセルCマウントカメラ対応テレセントリックレンズ(MSシリーズ)を製造販売している。しかし、近年の画像センサのCMOS化に伴い、より大型になりハイメガピクセル化した産業用カメラに対応が難しくなってきた。そこで、マシンビジョン用途で需要の多いCマウントカメラの中でも特に要望が多かった、1.1型12メガピクセル(ピクセルピッチ3.45μm)対応テレセントリックレンズを開発した。 以下にHMSシリーズを紹介する。

製品の特徴

HMSシリーズは、ワーキングディスタンス(以下、WD)の違う4シリーズをラインナップした(図1)。製品開発時には、映像の歪みを限界までなくすため、光学設計において各種の収差を極限まで抑え、レンズ性能を最大限引き出し最適化した。TVディストーションは最大でも 0.016%以下に抑えた(TPC018-HMS200設計値)。


図1 1.1型12メガピクセル対応 テレセントリックレンズ

そのため、画面の歪曲がなく画像処理時の補正を大幅に軽減する。また、周辺光量の低下を極力少なく画面全体で均一な明るさにしたことで、周辺の画像補正を軽減し、観察対象物の弁別を容易にする。 全種類絞り可変として、明るさの調節や必要な被写界深度を得るといった使用環境ごとの調整が可能である。MTFを画面の中心から周辺まで、回折限界に限りなく近づけ画面の隅々まで高画質な映像を得ている。レンズ先端にフィルタねじを装備し、カバーガラスやフィルタなどが取り付け可能。ただし、フィルタの種類やレンズのNA、照明の方法など、条件によっては高画質が得られない場合があるので注意が必要である(図2~4)。表1に主な仕様を示す。


図2 シェーディングレス(イメージ)


図3 回折限界に近い高画質(イメージ)


図4 ディストーションレス(イメージ)


表1 主な仕様

製品の仕様

4シリーズの仕様を以下に示す。WDが短くコンパクトで高画質なものからロングWDまで使用環境に合わせた選定が可能である。

【WD 65mm】表2
シリーズの中でWDが一番短く、レンズ鏡筒も短いので装置の小型化が可能。また、WDが短いのでレンズ鏡筒を太くせずにNAを大きくすることが可能で、シリーズ中で一番分解能が高く高画質である。微小な欠陥検査などに向く。


表2

【WD 110mm】表3
WDを必要とする用途に向く。分解能もよくレンズ鏡筒もできるだけ短く設計されており使い勝手がよい。


表3

【WD 160mm】表4
WDがさらに長いため、擬似同軸照明BOXやリングライト、スポット照明など、レンズの前に照明を置いてワークに対する照明の当て方に工夫が必要な用途に最適。


表4

【WD 200mm】表5
シリーズの中で撮像エリアが一番広く、画面の隅々まで高画質。今までワークを個々に認識していたのを複数個一括して認識するなどスループットの向上が期待できる(図5)。


表5


図5 複数個一括撮像例

今後のロードマップ

CMOS画像センサはさらに大型化、高画質化が進んでおり、マシンビジョンレンズも大画面で高画質に対応した製品が求められている。 東京パーツセンターでは、大画面化への取り組みとしてCマウントより大きなカメラマウントに対応したラインナップも現在開発中で順次製品化していく。また、ピクセルピッチ2.2μmや1.67μmといった極小ピッチのカメラに対応するレンズの開発も行っていく予定であり、今後さらに成長が見込まれるマシンビジョン市場にタイムリーでリーズナブルな製品を投入していく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください