深層学習による画像識別を簡単に行える「AI 評価ツール」を組み込ん3D ビジョンロボットシステム

株式会社ファーストは、今回開発した深層学習による画像識別を簡単に行える「AI 評価ツール」を組み込んだ、3D 画像認識で位置決めを行いピックアップする 3D ビジョンロボットシステムを、家電リサイクル工場に導入した。

導入の背景

家電リサイクル工場に運び込まれた洗濯機の解体レーンに、AI 評価ツールを組み込んだ 3D ビジョンロボットシステムを導入した。

この家電リサイクル工場では、洗濯機を 3 段に積み上げて、1 つのコンテナに平均 18 台積んだ状態で入荷する。

作業者は洗濯機を積み下ろしてベルトコンベアに移設し、種別(ドラム式、ドラム式以外)を目視で判別し、タッチパネルを操作して該当レーンに振り分ける作業を行った。

しかし、洗濯機は 1 台平均 40 キログラム、最大で 90 キログラムと重く、3 段を積みげた高さは約 2 メートルに達することから、重筋作業の負担と安全確保が課題となっていた。

導入の効果

家電リサイクル工場では、さまざまなメーカの洗濯機が持ち込まれるため、対応する大きさや形状が多岐にわたる。

従来のロボットシステムとは異なり、3D ビジョンロボットシステムでは、事前に登録をすることなく対象物の位置や形状を都度認識してロボット制御を行うことができるため、ロボットによる洗濯機の積み下ろしが可能となった。

「AI 評価ツール」は、深層学習による学習モデルの生成と判別機能を備えている。

約 1 万枚の洗濯機の画像を学習させ、解体レーンへの移設の要否と、移設の際にレーンを選択するための種別(ドラム式、ドラム式以外)判別を行う学習モデルを生成。

自動で判別することで、これまで作業者が行っていた目視判別とタッチパネル操作が不要になり、作業時間も短縮した。

「AI 評価ツール」を組み込んだ 3D ビジョンロボットシステムで自動化したことで、人による洗濯機の積み下ろし作業と種別判別、レーンへの振り分け作業が不要になった。

同社は今後も、画像処理と AI を併用したトータルソリューションを提供することで、ファクトリーオートメーションに貢献していく。

「AI 評価ツール」について

「AI 評価ツール」は、学習データからの深層学習を行い、生成した学習モデルに基づいた推論までをオールインワンで行う AI 評価の専用ハードウェアである。

画像処理と親和性の高い深層学習フレームワーク(Chainer)とネットワークモデル(AlexNet)による学習ソフトウェアを搭載しており、深層学習の知見がないユーザも簡単に学習モデルを生成することができる。

OS は Windows10 を採用しており、学習モデル生成から推論までのAI 検査を、使い慣れた Windows 環境の操作で試すことが可能である。

学習箇所を可視化したヒートマップにより、推論時に注目した箇所を明示するので、推論の判断理由が分かるのと同時に、学習データを最適化することができる。

また、学習データを自動的に水増しして学習を行う機能や、学習データを取り込む際の位置合わせを自動で行う機能を搭載している。

画像処理技術を生かして学習データの質を向上することで、より精度の高い学習モデルを生成することができ、判定精度の向上を実現する。

■問い合わせ
株式会社ファースト
TEL:046-272-8682
E-mail:sales@fast-corp.co.jp
https://www.fast-corp.co.jp/

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