高解像度化をはじめとしたAIによる画像処理技術を研究開発するNavier(ナビエ)株式会社(以下 Navier)は、AI(深層学習)により動画をリアルタイムで高解像度化する技術を発表した。
大容量通信時代を支える技術
動画コンテンツは世界のスマートフォンで通信されるデータの約65%を占めており、加えて、リモートワークにおけるWeb会議が一般的になったコロナ時代において、動画はますますその重要性を高めている。
一方、動画の配信においては、インターネットの通信が安定していない場所では動画が低解像度になる、通信が安定していてもアクセスが集中することで高解像度での配信が行えないといった状況も発生する。
今回発表した技術は、受信側のデバイスで配信された動画をリアルタイムで高解像度化することで、こうした問題の解消に寄与する。
動画の視聴者のメリットとして、高解像度の動画を見られることでユーザー体験の向上が期待される。また、動画を配信する側のメリットとしては、同じクオリティの動画をより少ない転送量で配信することが可能となり、配信コストの削減が期待される。
Navierの新技術:実用可能性がポイント
動画を高解像度化する技術自体はAI(深層学習)を用いる手法も用いない手法もあったが、最新のAI手法は精度高く高解像度化することを可能とした一方、高性能なコンピュータを必要としたり、処理に時間が掛かりすぎることが欠点であった。
今回の新技術では、こうしたAI手法の欠点を克服し、スマートフォンのデバイス上の計算資源のみを用いて、リアルタイムで動画の画質を向上させることに成功した。
解像度を高精度で向上させるだけではなく、配信動画特有の圧縮ノイズにも対応し、ストリーミング動画向けに最適にチューニングされている。
今回の技術の概要を紹介した動画をYouTubeにて公開している。
本技術の開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業によるものである。
今後の展望
本技術は、現時点では一部のスマートフォン環境に最適化されていますが、今後は一般のユーザーが利用できるよう汎用性をより高める技術開発を進めます。
さらに、テレビやディスプレイなどスマートフォン以外の端末へも本技術を適用可能にすることを目指します。
■問い合わせ
Navier株式会社
https://www.navier.co/
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