2009-8-28
ガブリエル・バンサン BL出版＜発行1986-5-1＞
不詳
アンジュールは、走る車の窓から投げ捨てられました。飼い主は、スピードを上げて走り去ってしまいました。アンジュールは必死で追いかけましたが、車影は遠のき、程なく消えてしまいました。アンジュールを呼ぶ人もいなくなり、“野良犬”となり彷徨うこととなりました。人影を見つければ走り寄りますが、虚しく立ち止まる。そのくり返し･･･。
この書は「絵本」です。文字は一字もありません。絵は、鉛筆（絵コンテ？）だけで描かれています。デッサン画集という趣ですが、54枚の絵が一枚一枚凄い迫力でアンジュールの思いを伝えてくるのです。
町中では、厄介者として追い払われ身の置き所もないまま彷徨い続けます。ふと、意味ありげな荷物を持った少年と目が合い、お互い引き寄せられるように近づき、お互いを確かめ合いながら歩み寄り、アンジュールは少年に抱きつきます。温かい思いが心に灯りました。
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